ローコスト防音室(フルート用)4
今回使った吸音材は?
前回もお話ししたように「安く!」と思い最初は段ボールを使用したのですが、かなりの容積がないと吸音材としての役目を果たさないので、段ボールは断念しました。
何を使ったかと言うとニードルフェルトです。
内装材のカーペット敷の下に敷いて吸音をする材料です。
厚さ1cm幅が90cm長さが20mで1巻です。
厚さが1cmなので二重にしても2cmで効果も出ますので吸音材としても有効です。
前回図面に示した通りの厚さですので、段ボールのようにかさばりません。
市販されている防音室はいくらくらい?
YAMAHAのアビテックスだと0.8畳の床面積でDr-35が58万円。
Dr-40になると83万円です。
これは非常に安い価格であり、部屋に入るもう一つの部屋なので、かなり狭さは否めませんが防音ユニットから漏れた音はその部屋の壁である程度まで減衰します。
では今回の防音室のコストは?
石膏ボードが10枚とニードルフェルトで約1万5千円ほどです。(道具やコーキング剤や金物など雑多な物は除く)
ただし、どこに配置するか、どこが音が抜けやすいかなどを調査する時間と実際に工事をするので2日間費やしました。
本格的に防音をすると何が必要?
本格的に防音室を作る場合何が必要かと言うと
- 二重サッシ(インプラスなど)
- 吸音材(防音専門の素材)
- 遮音材(できれば15mm厚の石膏ボード)
- 防音用換気扇(密閉した室内の空気を入れ替える)
- 防音ドア
- 防音用床材
これらの部材だけで100万円は下らないと思いますし、工事費を加えるとすぐに150や200万円位かかってしまうと思います。
もう少し言えば、ピアノの防音を考えると固体振動も防がなくてはならず、部材だけで200万円になるでしょう。
-35dBからさらに-40dBに-5dBのレベルを望むとコストは増えますがさらに-40dBを-45dBにする、5dB下げる為にはかなりのコストと労力が必要だと言うことを覚えておいた方が良いと思います。
ローコスト防音室のメリット
- 安さ、これ以外なし
デメリット
- 綿密に設計されていないので性能は劣る
- 扉は石膏ボードをフスマを差し込むように抜き差しするので面倒臭い
- 換気がない
- エアコンもない(夏は地獄)
- 防音性能の上限が間仕切り壁に準拠する
結論:自作なら安くできる
何しろ安さを追求した結果の防音室ですので、これから夏になると30分も練習できないかも知れません。
4回に渡って「ローコスト防音室」について説明をしましたが如何でしたか?
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