キッチンを対面式にリフォームしたい
キッチンを対面式にリフォーム
設計の視点と使う側の視点で2種類の対面式キッチンについて考えてみます。
- ペニンシュラ型(コンロ側が壁に接している=イタリアのように大陸から飛び出た半島のイメージ)
- アイランド型(どの部分も壁に接していない=ニュージーランドのように大陸と接していないイメージ)
の2種類があります。
まず対面式キッチンのメリットを考えてみましょう。
- キッチンとリビングの一体的なデザインが出来る(キッチンを孤立させない)
- 見せる空間に出来る(整理できる人にはうってつけ)
- 配膳しやすい(テーブルまで運ばず手を伸ばせば受け渡しが可能)
- キッチンからの見通しが良い(光が多く入るので明るく使える)
設計側からみた対面式キッチン
設計の観点から考えると
- デザインとしては絵になりやすい
- リフォームの設計としては難しい
と相反する考え方が浮かびます。
デザインとして絵に描いた時の訴求力はかなりあると思います。
一方で
- 配管(特に排水管)をどこに持っていくか
- ダクト管の配置をどう処理するか
- 使い勝手を考えてテーブルを置いたときに逆に使いづらくならないか
- 限りあるスペースを有効に使えるか
などの課題が出てきます。
既存の排水管に接続するためには床を高い位置に作り直してその下に配管するのか、キッチンの中の配管スペースを利用して既存の排水管に勾配を損ねることなく接続できるか、は1番の課題です。
開放感のあるキッチン
それでも対面式にするメリットは、やはり開放感なのではないでしょうか
調理空間を孤立させないと言うコンセプトは今の時代にフィットしていると思います。
昭和の時代と言うと大袈裟ですが、サザエさんの家のように台所は広くてお母さんと娘で台所に立つ。
そんな広い家は首都圏には少ないのではないでしょうか。
ユーザーから見た対面式キッチン
壁に向かったキッチンは背面に食器棚や冷蔵庫があり1人が動けるだけのスペースしかありません。
対面式にするとキッチンとして囲まれていた壁を撤去してリビングと一体の広いスペースになります。
対面式なのでキッチンをはさんで向かいには「手伝う人」なのか「食べる人」なのか「片付ける人」なのかが同時進行できます。
デメリットは調理の時、細かい粒子になった油が部屋全体に浮遊するので「油汚れがつきやすい」「料理の匂いが残る」と言う点は避けては通れないと思います。
家族が時を共有できる空間
令和の時代、家族の生活スタイルも変化していますし、コロナによって社会のスタイルも変化しています。
出勤時間がフレキシブルになりお父さんの家を出る時間も日によって違い、大学生と高校生では学校に向かう時間が違います。
帰り時間も皆バラバラで家族で揃って食べることをしなくなった時代なのかもしれません。
そんな生活スタイルでも週に1回、月に1回でも家族そろって食事を取れる時間を共有する空間が対面式キッチンの良さではないでしょうか。
参考資料